「裸のプレゼンター(ガー・レイノルズ)」の感想
「プレゼンテーションzen」トリロジーの完結編です。
1冊目にあたる「プレゼンテーションzen」では、従来型のプレゼンテーションを否定し、よりメッセージが届くためにはどのようにあるべきか、の概要を解説していました。
2冊目の「プレゼンテーションzen デザイン」では、印象に残るスライドのデザイン(主にビジュアル面)について、解説していました。
3冊目の「裸のプレゼンター」は講演者と聴講者の「心」について述べています。
プレゼンテーションの上手い人とそうでもない人の違いというのはとても単純で、自分自身のスタイルを確立できているかどうかにかかっています。大雑把に言ってしまえば、慣れれば自然とスタイルは確立されますが、悪い意味で「本番が練習の機会」でありつづけると 、とにかく「用意したスライドを喋る」ことに一所懸命になりすぎてしまい、せっかく良いコンテンツを用意したとしても、聴講者に届かない、もしくは印象に残らない結果になりかねません。それは残念ですね。
本書ではそういったことを避けるためにできる「準備」であったり、本番における「つかみ」や聴講者との距離の取り方、印象に残る演出について解説をしています。機会があれば読んでみることをおすすめします。
こういった演出を考えるということは言い換えると「聴講者にメッセージがどのように届くのか」ということに思いを巡らせる、つまりメッセージの届き方をデザインする、という感覚があると望ましいと思います。それは仕事中の何気ないメールや会議中の会話、もしくはソフトウェアの設計などにも活かされる感覚になります。
プレゼンテーションというと一部のちょっと変わった人が行うものだという先入観があるかもしれませんが、あなたの仕事ぶりがどのように相手に届くのか、それをどうデザインしていくのか、そんなことを考えるきっかけにもなる本です。